2018年7月20日金曜日

熱中症とはびこる根性論

痛ましい事故である。愛知県の小学一年生の子が熱中症でなくなった。同じ小学生の親として、本当にやるせない。

教室にクーラーがない、炎天下で体調が悪いのに、「励まして」連れて行く。行きと帰りの水分補給は禁止。体調が悪いのに涼しい部屋に連れて行かない。

本当に前近代的である。ちなみに自分が子供の頃はこんな感じだった。部活でも水を飲みすぎると怒られたものである。

だからと言って、「自分が子供の頃がそれで大丈夫だったのだから・・・」という負の連鎖を持ち込むのは本当に愚かである。

この件に限らないが、自分の苦労を下にも経験させなければ気が済まないという思考は、それなりに多い。

研究の現場でもしばしばある。

「自分の時はキットを使っていなかったので、キットを使ってはダメ」
「外注で実験してもらうなんて勉強にならない」
「若手が人を雇用するなんてだめ。自分で全部やるべき」
「任期付きの方が流動性が高まって成果が上がる」
「自分も若い頃は給料が低かった」

こんなセリフは研究界隈でもありふれている。

今回の小中学校のクーラーの問題だけでなく、若い世代に苦労させる思考は、本当に害悪である。しかし、なかなか消えないと思った方がよい。

クーラーの問題については、SNSで大きな反響になっている。ここはSNSの力を使って、ぜひ拡散して風化させないでほしい。

ちなみに神奈川県は、小中学校のクーラー設置率が高い。こういうところは素直に行政に感謝したい。そして、子供のために、全国の学校でクーラーの設置を進めてほしい。断言して良いが、暑さを我慢して勉強してもいいことなんて一つもないし、学習効果は落ちるだけである。

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